作ることを真剣に考える
スクール
ゆめのかたち−歴史実践のための覚書
6月15日(日)14:00 – 16:00
講師:遠藤 薫
旅はつづき、人と出会い、新たな物語が作品として形を結びます。今年オーストラリアにて制作し、来年作品発表の機会がある講師の遠藤薫。アボリジニの創世の物語であるドリーミングを紐解き、英国の植民地時代における羊の存在を読み解き、それらを国際芸術祭あいち2022で発表した《羊と眠る》を結びます。時を超え、場を超え、羊の物語が次の章に向かって紡がれます。そこから見える世界とはどのようなものかを想像する、思考と創作の実験の会です。
ポストコロナと変容するアート
7月27日(日)14:00 – 16:00
講師:小澤 慶介
2020年代に開かれた国際展に触れながら、ポストコロナの時代とアートの関係について一歩踏み込んで考察します。キーワードは近代社会の限界とその行末。ドクメンタ15(2022)や第8回横浜トリエンナーレ(2024)の一部では、近代社会を支える私有財産制を疑う姿勢が見られ、第15回光州ビエンナーレでは近代社会の終わりとその先に問いを投げかけていたように見えます。私たちの見知った近代のアートも変容していることに目を向けながら、この時代のアートについて考えを深めます。
造形とはなにか−ゾフィー・トイバー=アルプを中心に
12月6日(土)16:00 – 18:00
講師:沢山 遼
今年、ヒルマ・アフ・クリント、ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ、岡﨑乾二郎のそれぞれの美術館個展を同時に東京で見ることができるという僥倖に恵まれました。この機会に、芸術作品をつくること、すなわち「造形」とはいかなる営みなのかを、人間的な営為としてのみならず、宇宙や地球までをも含むレベルで考えてみたいと思います。この講座では、ゾフィー・トイバー=アルプの作品を中心として、そのほかの作家も交えながら、形をつくること、形がつくられることについて考えてみたいと思います。
歩いて出会う世界を表現すること
12月20日(土)16:00 – 18:00
講師:志賀 理江子
歩いて見たり聞いたり感じとったりすることで、世界はどのような姿を見せはじめるのでしょうか。土地の風土や成り立ち、風習、変化の兆しをみずからの体すべてでとらえること。それは、すべてを数理化してとらえる科学や人々の情動を操作するメディアによって伝えられるものとは異なる世界に出逢わせてくれます。その時、写真家はそれをどう写し取るのでしょうか。Tokyo Contemporary Art Awardの受賞記念展で発表した《風の吹くとき》(2022-2023)や第8回横浜トリエンナーレで発表した《霧の中の対話:火―宮城県牡鹿半島山中にて、食猟師の小野寺望さんが話したこと》(2023-2024)などの作品をとおして考えます。