アートとケア
スクール
ダンスと身体とケアについて
6月29日(日)14:00 – 16:00
講師:砂連 尾理
力いっぱい高く飛んだりバランスを保ちながら回転をしたりというダンスがある一方で、他人の呼吸や力、速度に応答しながらみずからの動きを導いてゆくダンスがあるとしたら、それはどのようなものになるでしょうか。特別養護老人ホームで生まれ、お年寄りや介護者とともに行う「とつとつダンス」は、まさにそうした「ともにあること・いること」からはじまるダンスです。レクチャーでは、その言葉を介さないコミュニケーションによって成り立つダンスを紐解き、実際に体を動かしたり他人に触れたりしながら、ダンスとケアをとらえ直します。
アートをコレクションし、伝えること
8月3日(日)14:00 – 16:00
講師:田口 美和
現代アートの作品を収集して同時代の価値としてまとめ、一般市民や学生に向けて公開するタグチアートコレクションを紐解きます。弘前れんが倉庫美術館などの美術館でのコレクション展で同時代の瑞々しい感性をアートファンに伝えるだけではなく、小学校低学年から中学・高校生までを対象に現代アートのデリバリー事業を行っているタグチコレクション。レプリカではなく本物の作品を展覧会にして学校で見せることで、どのような化学反応がおこるのでしょうか。アートとともに子どもたちをも育む事業を支える人や思い、仕組みについて考えます。
他者への気づかいとアートのかたち
11月22日(土)16:00 – 18:00
講師:百瀬 文
他者をケアすることが作品に結ばれるとき、その質はどのような身振りや行為、姿形に現れ出るのでしょうか。声や言葉、表情、身体的な接触を選びとり、想像力を働かせながら「ともにあること」に意識を向ける。するとそこにはどのような交感がおこるのでしょうか。国際芸術祭あいち2022で手がけた《クローラー》やフランクフルトの世界演劇祭で発表した《鍼を打つ》(2023)、ART GRANT ATAMIで発表した《Melting Point》(2023)などの作品をとおして、ケアとアートの結びめについて考えます。
エコロジーとアートの実践−地球のケアを考える
11月30日(日)10:00 – 12:00
講師:小澤 慶介
いつどこで人間と地球の関係が失われてしまったのかということから、エコロジーとアートの関係を紐解きます。ときには資本主義経済の転換期ときには加速する産業化など、時代を画す出来事に触れながら、ボニー・シャークやハンス・ハーケ、スーパーフレックス、ピエール・ユイグ、マリア・テレサ・アルヴェスなどのアーティストがどのように環境保全や復元、循環に向き合ったのかを考えます。