アートの実践
スクール
美術館の代謝と変容
7月13日(日)14:00 – 16:00
講師:平野 到
1982年に開館した埼玉県立近代美術館の変遷を事例にしながら、変容しつづける美術館について考察します。全国各地の公立美術館の多くは1970年代から1980年代にかけて開館しています。そのため運営を担う人材の世代交代が全国的に進んでいる一方、美術動向の多元化、採算を伴う運営、社会的要請に対する取り組みなどが新たな論点となり、美術館のプログラムが多様化しています。美術館は時代の移り変わりとともにどのような課題に向き合い、変化を遂げているのでしょうか。外部からはなかなか知ることのできない公立の美術館の現在地を紐解き、ともに考えます。
インディペンデントで生きる道
7月27日(日)10:00 – 12:00
講師:池田 佳穂
美術館やギャラリーなどの組織に属さずに活動をするインディペンデント・キュレーターの仕事や活動について紐解きます。どのようにアーティストに出会い、展覧会を組み立てるのか。またどのようにアート界のネットワークに入り、みずからの活動を広げ、経済的な安定を確保してゆくのか。講師が関わった「バグスクール2024」や「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」などをとおして、知恵と知識と体力とコミュニケーション力とともに嗅覚でおもしろいことをさぐってゆくアートの仕事について迫ります。
美術館へ行こう
9月7日(日)10:00 – 12:00
講師:小澤 慶介
東京都現代美術館で開かれている展覧会を見学します。なぜ、この時代にこの展覧会が開かれるのかということを意識しながら、タイトルや主旨、出品作品、展示方法、鑑賞者の動線の関係を読み解きます。キュレーターやアーティストの意図は展覧会のどういった部分に表れているのかに留意しながら、時間をかけて堪能します。展覧会の入場料や美術館までの交通費は受講生の負担になります。
キュレーターの思考と実践
10月18日(土)16:00 – 18:00
講師:尹 志慧
同時代や美術史を読み解き、アーティストと協働しながら展覧会をつくるキュレーターに求められる知識やスキル、知恵について考えます。2010年代に入って進化したデジタルデバイスと資本主義が実現したいびつな世界について考察した「遠距離現在 Universal / Remote」展や1990年代以降の知的人的な国際交流から日本の現代美術をとらえ直す「日本の現代美術と世界 1989‒2010(仮称)」展をとおして、思考が展覧会としての形に結ばれる過程を紐解きます。