アートト

グローバルスタディーズ

スクール

海を渡った芸術家と絵画の変遷

8月20日(日)14:00 - 16:00

講師:桝田倫広


戦後の英国の絵画史の一端を紐解き、移民として移り住んで活動をしてきたアーティストたちの表現の変遷を辿ります。アフリカ大陸からやってきたはじめの世代は西洋のアートへと同化しようとしましたが、その後の世代は次第に彼ら彼女たちの出自である文化との関係で絵画を作りはじめます。ルバイナ・ヒミットやクリス・オフィリ、リネット・イアドム・ボアキエなどの作品をとおして、出自の文化と西洋の文化の間で揺れ動く絵画表現をめぐる議論の現在地をさぐります。

境界に漂う声、体 、記憶

10月14日(土)16:00 - 18:00

講師:山城知佳子


島を、それを取り巻く海流やその向こうの島あるいは大陸との関係でとらえるとき、それらの間にはどのような出来事があって、今どのような眼差しをそそぐことができるでしょうか。歴史を紐解き、当事者の声や体に触れ、絶えず形を変える記憶をさぐりながら紡いでゆく。あわいに漂う、太文字の歴史として綴ることが叶わない、個人的で密やかな記憶の表象の不/可能性について、《ヴァーチャル継承》や《あなたの声は私の喉を通った》《沈む声、紅い息》、《土の人》、最新作などに触れながら考えます。

他者とは誰か

11月11日(土)16:00 - 18:00

講師:小澤慶介


1990年代から2020年代にかけて変わってきた世界の構えとアートの関係について考えます。西洋中心的であったアートも、1990年代のグローバリゼーションの動きとともに世界化しながらさまざまなよそ(他者)の文化に出会ってゆきました。その時、アートはどのように変わり、またそうした世界をどのように表しはじめたのでしょうか。そして、その現在地とは。ドクメンタ11や15などの国際展で取り上げられた作品に触れながら、他者の姿を追います。

エコロジーとアートの実践

12月16日(土)16:00 - 18:00

講師:小澤慶介


現在、世界各地で議論されているエコロジーの問題にアートはいつごろからどのように向き合ってきたのかを考えます。19世紀英国の産業革命時代におけるラスキンの考えやそれを受け継いだアーツ・アンド・クラフツ運動からはじめ、20世紀に入って大規模な産業化の過程で起きた出来事や巻き起こった議論ほか、ロバート・スミッソンやボニー・シャーク、ハンス・ハーケをはじめとした作品行為をとおして、エコロジーとアートの関係の現在を照らし出します。