アートト

アートヒストリー (AH)

スクール

アートヒストリー 全14回

2021年6月〜2021年12月 日曜日 10:00〜12:00

なぜ、アートは今のようになったのか。そして、アートとは何か。これらの問いに向き合いながら、過去200年のアートの足取りを、同時代との関係から読み解きます。それは、西洋のアートが、技術発展や社会変革、戦争、グローバリゼーションを経て世界に広がってゆく流れを追うこと。それを、時に哲学思想や社会学などにも触れながら、考察します。現代アートの基礎的な知識や考え方を学びたい方であれば、どなたでもご参加いただけます。沢山遼氏による回は、オンラインで実施します。

アートが先か、美術館が先か

6月6日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


アートとは何かについて、およそ200年前の美術館の誕生から考えはじめます。美術館をよく見てゆくと、私たちがアートと呼んでいるものの姿が明らかになります。美術館の母型といわれるルーヴル美術館をはじめ、ニューヨーク近代美術館、また21世紀に入って続々と建てられているプライベート・コレクターの美術館などに触れながら、紐解きます。

現代アート、ゲームの規則

6月20日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


現代アートは何か、それはいつから見られたのかといったよく聞かれる問いについて考えてみます。過去200年の美術史を見てゆくと、これ以降は明らかにアートのあり方が変わったと思われる特異点がいくつか見られます。19世紀フランスのマネからはじまり、20世紀に入ってデュシャンなどに触れながら、答えの輪郭を描き出してみます。

近代絵画の使命―マネ、クールベから抽象絵画まで

7月4日(日)10:00 – 12:00

講師:沢山遼


リアリズムをキーワードに、19世紀半ばのクールベやセザンヌにはじまり、第一次世界大戦前後にドイツやハンガリー、ロシアなどで現れた抽象絵画までの流れを読み解きます。リアルとは、目の前の風景を忠実に描きとることだけではなく、都市の興隆や技術の進化などによって移り変わる時代と人間のあり方を捉えることでもあります。アーティストたちが反応した時代とその表現に迫ります。

二つの世界大戦とアート―ダダとシュルレアリスム

7月18日(日)10:00 – 12:00

講師:沢山遼


1910年代にヨーロッパでおこった2つの芸術運動、ダダとシュルレアリスムを、第一次世界大戦との関係で考察します。第一次世界大戦とは、産業化が劇的に進んだ点で近代社会の到達点であったとともに、人間の理性の崩壊を表す出来事でもありました。その時、ダダやシュルレアリスムは、そうした時代にどのような芸術表現を投げかけたのでしょうか。

ヨーロッパからアメリカへ

8月1日(日)10:00 – 12:00

講師:沢山遼


2つの世界大戦を経て、アートの中心がヨーロッパから北アメリカへと移っていった時代とアートについて考察します。ドイツの芸術学校バウハウスで教えていたアルバースやモホリ=ナジをはじめ、オランダで活動していたピエト・モンドリアンなどもアメリカ合衆国へ渡っています。新大陸はどのようなアートを可能にしたのか、戦争との関係で読み解きます。

マルセル・デュシャンが開くインスタレーションの道

8月29日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


デュシャンの作品行為からインスタレーションについて考えはじめます。逸脱や摩擦をキーワードにしながら、美術制度や社会空間の秩序を相対化する作品行為にはどのようなものがあるでしょうか。60年代のアースワークや90年代のYBA、また90-2000年代の関係性の美学の関連で取り上げられる作品にも触れながら、インスタレーションに踏み込みます。

時間よ止まれ!ー写真が明かした世界の姿

9月12日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


複製技術としての写真が到来した時、アートだけではなく世界に対する人間の認識も変わりました。写真は世界の何を表し、また人間と世界をどのように結び直したのでしょうか。ヴァルター・ベンヤミンなどの考えを頼りに、アートやジャーナリズム、プロパガンダの間で揺れながら世界を表した写真というメディアについて考えます。

スペクタクルの社会と映像文化

9月26日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


19世紀末にエジソンやリュミエール兄弟によって発明された映像の技術は、産業化と実験の間でさまざまな表現を生んできました。テレビや広告などの情報産業と結びつく映像にも目を配りながら、アーティストたちが目指したオルタナティヴな映像表現を、ナムジュン・パイクやブルース・ナウマンをはじめ、90年代以降の映像インスタレーションにも触れながら見てゆきます。

戦中・戦後日本の前衛芸術

10月3日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


言論統制が敷かれていた戦中を経て、戦後には芸術家たちの小さなグループが生まれはじめました。やがてそれも離合集散しながら、反芸術といわれた前衛芸術運動となり読売アンデパンダン展へと展開してゆきます。美術制度が未整備であった時代に、貸画廊や舞台で繰り広げられ、社会の動向を色濃く映し出したアートの形について概観します。

1990年代のグローバリゼーションと多文化主義

10月17日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


1990年代以降に加速するグローバリゼーションにおけるアートを、多文化主義をキーワードに読み解きます。ベルリンの壁崩壊は、東西冷戦の終わりと資本主義の世界化を同時に表した出来事でした。異なる文化が出会ってゆく時、それらはどのような摩擦を生んだのでしょうか。parisienne(s)やcities on the moveなどの展覧会、またドクメンタ11などの国際展に触れながら考察します。

新自由主義と二極化するアート

11月14日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


新自由主義(資本主義)が全世界を覆ったこの20年、アートは一方では投機の対象となりギャラリーやアートフェアなどでの取引が加速しました。またもう一方で、アートは、そうした世界が生み出す影の部分や別様の生活・経済圏を表象するものとして、国際展などで取り上げられています。ドクメンタ13、14、またヴェネチアビエンナーレ2015、2017などに触れながら、この二極化する世界とアートをとらえます。

生み出された地方と芸術祭

11月28日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


2000年代以降、全国各地で開かれるようになった芸術祭について、戦後の社会構造の変化をとおして考察します。全国各地に美術館が計画・建設された高度経済成長期の70年代を経て到来した、創造都市事業の台頭と芸術祭の90年代。アートは地域社会にどう働きかけ、またアートはどのように変化していったのでしょうか。大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレに触れながら、社会と地域とアートの関係を紐解きます。

絵画は、いま

12月5日(日)10:00 – 12:00

講師:桝田倫広


古いメディアでありながら、市場では現在でも活発に取引される絵画。しかし、そうした資産としての価値を差し引いた時、そこにはどのような存在理由が残っているでしょうか。それは、絵画の特性を他のメディアとの関係で読み解くこと、あるいは絵画が扱ってきた主題と現代の関係を考察するうちに見出されるのかもしれません。ピーター・ドイグをはじめ、クリス・オフィリやリネット・イアドム・ボアキエなどの作品に触れながら、現代の絵画について考えます。

複雑な世界と多様化する表現

12月19日(日)10:00 – 12:00

講師:小澤慶介


今やアートは、絵画や彫刻のみならず、写真や映像、インスタレーション、パフォーマンスなどまで、多様な表現形式で展開しています。そしてそれらは同時代の何を表しているのでしょうか。これまでのレクチャーのまとめをしながら、来るべき時代とアートについて自由に考えてみたいと思います。