アートト

アートヒストリー(AH)

スクール

アートヒストリー 全15回 定員15名

2022年6月〜2022年12月 土曜日 13:00〜15:00

現代アートとは何か、という問いに向き合うために、過去200年の美術の歩みを辿ります。近代社会の形成や技術の発展、2つの世界大戦、資本主義や疫病の世界化とともに歩んできたアートは、その時々で世界のあり方に対しどのような問いを投げかけたのでしょうか。この問いを、美術史だけではなく、哲学思想や社会学、文化人類学などにも触れながら考察します。現代アートの基礎的な知識や考え方を学びたい方であれば、どなたでもご参加いただけます。

芸術のはじまり、美術館のはじまり

6月4日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


芸術を客観的に捉えるために、およそ200年前の美術館の誕生から考えはじめます。美術館をよく見てゆくと、私たちが芸術と呼んでいるものの姿が明らかになります。美術館の母型といわれるルーヴル美術館をはじめ、ニューヨーク近代美術館、また21世紀に入って続々と建てられているプライベート・コレクターの美術館などに触れながら、紐解きます。

現代アート、ゲームの規則

6月18日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


現代アートはいつどのような形ではじまったのでしょうか。この問いに向き合うために、19世紀フランスのマネやクールベからはじめ、20世紀前半のデュシャンなどに触れながら、同時代性や切断などのキーワードとともに考察します。

絵画とリアルーロマン主義から抽象絵画まで

7月2日(土)13:00-15:00

講師:沢山遼


19世紀フランスのドラクロワやクールベから第一次世界大戦前後の抽象絵画までの流れを読み解きます。キーワードはリアリズム。それを、目の前の風景を写実的に描くというよりも、変わりゆく時代の雰囲気や生活文化に鋭く反応して描きとることと想定してみます。都市の興隆や技術革新、戦争の時代における、芸術家たちのリアルを追います。

秩序の破壊と芸術表現―ダダ、シュルレアリスム

7月16日(土)13:00-15:00

講師:沢山遼


ダダ、シュルレアリスムという芸術運動を第一次世界大戦との関係で考えます。近代国家の成立と産業化の一つの到達点で引き起こされた第一次世界大戦は、総力戦と急激な機械化で、人間の理性を破壊した出来事でした。そうした激動の時代に反応した芸術について、ツァラやアルプ、またエルンストなどの作品に触れながら考えます。

前衛芸術の大陸間移動―アメリカへ渡る芸術

7月30日(土)13:00-15:00

講師:沢山遼


2つの世界大戦前後で、芸術の中心がヨーロッパから北アメリカへと移っていった流れを追います。ドイツの芸術学校バウハウスで教えていたアルバース、またモンドリアンやデ・クーニングもアメリカで活動をはじめます。破壊されたヨーロッパの街から海を越えたアーティストたちは、どのような表現を展開したのでしょうか。

写真術の到来と芸術の地殻変動

8月6日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


19世紀前半にフランスと英国で発明された写真術は、イメージを複製することができるという点でそれまでの芸術だけではなく、人間による世界の認識のしかたも変えました。時に思想家ヴァルター・ベンヤミンの考えに触れつつ、芸術やジャーナリズム、プロパガンダなどの間で揺れる写真について考えます。

スペクタクルの社会と抵抗する映像文化

8月20日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


19世紀末、リュミエール兄弟やエジソンによって発明された映像の技術。20世紀に入り、それは社会の歩みとともに産業化される一方で、マン・レイやモホリ=ナジ、ナムジュン・パイクなどのアーティストによって実験的にその可能性が探られました。マクルーハンなどの考えにも触れながら、映像表現のオルタナティブについて考えます。

マルセル・デュシャンの遺産とインスタレーション

9月3日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


デュシャンの作品行為を起点に、インスタレーションについて考えます。作品と空間の力学的な関係によって変化するインスターレーション。空間の概念を紐解き、ロバート・スミッソンやハンス・ハーケ、ダミアン・ハーストなどの作品をとおしてインスタレーションの意味内容をさぐります。

戦後日本の前衛芸術

9月17日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


太平洋戦争を経て、数々の小さなグループが生まれた1950年代から1970年代までの前衛芸術の動きを追います。実験工房や具体美術協会、また読売アンデパンダン展などに触れながら、同時代の政治や経済、また万博などの大イベントに敏感に反応していった芸術家たちの作品や行為を概観します。

パフォーマンスがアートになるとき

10月1日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


体を表現の媒体にするパフォーマンス・アートについて考えます。感情を絵画として表出する通過点となったり、生物としての人間の存在を再認識させたり、政治的な力に対抗する場となったり、美術史を紐解いてゆくとその意味内容は実にさまざま。アナ・メンディエタやマリーナ・アブラモビッチなどに触れながら読み解いてゆきます。

脱中心化するアートと1990年代

10月15日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


東西冷戦が終わり、グローバリゼーションの波が世界を包みはじめると、アートもそれまでの西洋中心的な価値観から解かれてゆきます。モダニズム、ポスト・モダニズムなどの世界の構造を捉える考え方、またトマス・ヒルシュホルンやマウリツィオ・カテランなどの作品などをとおして、西洋的な価値観の変容とアートの関係を読み解きます。

グローバリゼーションと多文化主義の影

10月29日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


資本主義の波に乗って西洋が他者へ出会っていった時、現代アートの領域では多文化主義が唱えられました。はじめての国際展として知られる1989年の大地の魔術師たち展から2002年のドクメンタ11への過程で、他者を巡る表現はどう変容したのかについて考察します。

新自由主義の波と二極化するアート

11月12日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


新自由主義という資本主義の波が世界のほとんどを覆ったとき、アートは、一方でマーケットにおいて取引され価値づけられるものとなり、もう一方では、そうした世界の影の部分やオルタナティブを表すようになりました。2010年代のドクメンタやヴェネツィア・ビエンナーレなどに触れながら、そうした二極の関係について考えます。

芸術祭を生む社会と多様化する芸術祭

11月26日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


2000年代以降全国各地で開かれている芸術祭について、戦後日本の社会構造の変化とともに考えます。ヨコハマトリエンナーレや国際芸術祭あいちなどの都市型、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレなどの地域型、さらにテーマやメディアに特化したものまで、アートだけではなく福祉の要素も含みながらさまざまに展開する芸術祭とそれを生んだ社会の関係に迫ります。

拡張するアートと表現の同時代性

12月10日(土)13:00-15:00

講師:小澤慶介


アートヒストリー の14回を振り返りながら、絵画や彫刻であったアートがどのように表現形式を拡張してきたのか、西洋中心的なものであったアートがどのように他者と混ざり合っていったのか、そしてそれは今どのようなものになりつつあるのかについて受講生たちと語り合います。コロナや戦争などによる不安定な世界にアートはどう関わりを持てるのでしょうか。